カナダ人彼氏とヴィクトリア旅行に行った話

海外留学

ランゲージエクスチェンジを通して
カナダ人の彼氏ができた。

 

付き合い始めてしばらくは、
主にバンクーバーのダウンタウン周辺でデートをしていた。

 

映画を見たり、
レストランへ行ったり、
スタンレーパークでローラーブレードをしたり、
水族館に行ったり、
彼のアパートでまったりしたり…。

 

それなりに楽しかった。

 

でも正直に言うと、
東京と比べるとバンクーバーは娯楽施設が少ない。

付き合って2か月も過ぎると、
少しずつ刺激が欲しくなってきた。

そこで、

 

「たまにはどこか旅行に行こう」

 

という話になった。

そして私が提案したのがヴィクトリアだった。

理由は単純。

 

一度はホエールウォッチングをしてみたかったから。

 

彼も賛成してくれたので、
週末を利用して1泊旅行へ行くことになった。

ホテルも一緒に探した。

ホエールウォッチングの予約もした。

そしていざ出発。

 

ヴィクトリアへはフェリーで向かう。

しかも車ごと乗り込むスタイルだ。

 

今なら別に珍しくもないのかもしれない。

でも当時の私はまだ20代前半。

人生経験も少なかった。

 

だから、

 

「車ごと船に乗れるの!?」

 

と本気で驚いた。

 

フェリーの車両甲板には、
何列もの車がズラッと並んでいる。

その光景だけは今でも鮮明に覚えている。

 

ただ、その前にちょっとした出来事があった。

フェリー代の支払いである。

彼は運転中。

私は助手席。

 

「ここは私が払うべき?」

 

悩んだけど正直、留学生の私はお金に余裕がない。

できれば彼氏に出してほしい。

そんなことを考えながら自分の分だけ払おうとしたら、

 

「今手が離せないから僕の分も一緒に払っておいてよ」

「それに、あとでいいことあるかもよ」

 

と言われた。

結局、私が二人分を支払った。

 

ちょっと失敗したかも。

 

気か利かないうえに、
ケチな下心を見抜かれたようで恥ずかしかった(笑)

とはいえ、
お金の価値観は人それぞれ。

日本人でもカナダ人でも同じだと思う。

そんなちょっと気まずいやり取りを経て、
ようやく乗船。

 

そして不思議なことに、

フェリー移動中の記憶はほとんど残っていない(笑)

車がズラッと並んだ光景だけは覚えているのに。

 

人間の記憶って本当に不思議である。

 

ヴィクトリアへ到着した後は、
まずブッチャートガーデンへ向かった。

 

海外の植物園は好きだ。

 

日本庭園のような落ち着いた美しさも好きだけど、
海外の庭園はまた違う。

華やかで開放的で、なんだか歩いているだけで楽しい。

確かそこで一緒にアイスを食べた気がする。

 

その後はインナーハーバー周辺も散策した。

ヨーロッパのお城みたいな建物。

州議事堂。

フェアモント・エンプレスホテル。

 

今となっては細かい記憶はほとんどない。

でも私はこの辺りのどこかで写真を撮った。

どの建物だったのかは思い出せない。

でもその時に見た景色だけは、
なぜか今でも頭の片隅に残っている。

 

まるでポストカードのようだったから。

 

そしてその日の夜。

私たちは車で通りかかったギリシャ料理店へ入った。

 

実はこの時が人生初のギリシャ料理だった。

 

当時の私はまだ20代前半。

日本にいた頃は海外の専門料理店なんてほとんど行ったことがない。

せいぜいイタリア料理やフランス料理、中華料理程度。

だからギリシャ料理がどんな味なのか、
全く想像できなかった。

 

ところが。

 

これがめちゃくちゃ美味しかった。

 

特にカラマリ。

イカのフライである。

サワークリームのようなソースにつけて食べるのだけど、

これが衝撃的だった。

 

正直、メインの串焼き肉よりも印象に残っている。

 

気に入りすぎて、バンクーバーへ戻ってからも
二人でギリシャ料理店を探して食べに行ったほどだ。

 

人間、美味しかった記憶って本当に消えないらしい。

 

ちなみに、乗船前に彼が言った「いいこと」とは、

「食事代を支払ってくれる」というものだった。

まぁ予想はしてたけど(笑)

 

そして翌日。

今回の旅行最大の目的。

 

ホエールウォッチングである。

 

朝早く港へ向かい、ボートへ乗り込んだ。

そして海へ出た瞬間。

めちゃくちゃ寒い。

本当に寒い。

びっくりするくらい寒い。

風が強すぎて髪はボサボサになるし、
体も歯もガチガチに震えて会話どころではない。

ポイントへ到着するまで、
私たちは借りた毛布にくるまったままほぼ無言だった。

 

「寒い」

 

しか出てこない。

それくらい寒かった。

途中、アザラシやイルカも見かけた。

でも一瞬で消える。

写真を撮る暇もない。

 

そして肝心のクジラ。

運良く二度だけ見ることができた。

 

一度目は船の近くで潮吹きが上がり、
慌てて見たらお尻だけ見えた。

 

二度目は、
遠くの方で胸ビレか尻尾らしきものが海へ沈んでいくのが見えた。

 

ほんの一瞬だった。

でも、野生のクジラである。

 

水族館では絶対に見られない。

人生で一度見られるかどうか。

そう考えると十分価値があった。

 

そして再び極寒の海を震えながら港へ戻った。

 

正直、

クジラを見た記憶より寒かった記憶の方が強い(笑)

 

それくらい寒かった。

もしカナダでホエールウォッチングをするなら、
防寒対策は本気でした方がいい。

 

死ぬから(笑)

 

正直に言うと、

ヴィクトリアの街並みそのものはあまり覚えていない。

どこの建物の前で写真を撮ったのかも曖昧だし、
何を話したのかもほとんど思い出せない。

 

でも、

フェリーに車ごと乗り込んだ時の驚き。

初めて食べたギリシャ料理の美味しさ。

毛布にくるまって震えながらクジラを探した海。

 

そういう一コマだけ、なぜか今でも鮮明に覚えている。

 

きっと旅行の思い出って、

「何を見たか」

よりも、

「その時に何を感じたか」

の方が記憶に残るのかもしれない。

 

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