ホームステイ中、もっと話せばよかった

海外留学

私の約1年間の語学留学の中で、
今でも少し後悔していることがある。

それは、

 

「ホストファミリーともっと話せばよかった」

 

ということ。

 

カナダへ来た当初の私は、
英語がほとんど話せなかった。

だから最初は話せなくても当然だったと思う。

でも今振り返ると、

 

「話せないこと」と「話しかけないこと」は別物だった。

 

私は完全に後者だった。

 

英語に自信がなかったのはもちろんだけど、
そもそもどう接していいのか分からなかった。

ホームステイって、どこまで家族の輪に入っていいの?

リビングで一緒にテレビ見てもいいの?

話しかけて迷惑じゃない?

そんなことばかり気にしていた。

 

だから学校から帰ると、
私はほぼ毎日まっすぐ自分の部屋へ直行していた。

夕飯になったら呼ばれてダイニングへ行く。

食べ終わったら、
同居していたもう一人の日本人留学生ルミと一緒に
食器を洗う。

そしてまた自室へ戻る。

毎日そんな感じだった。

 

今思えば、
せっかく素敵なカナダ人ファミリーの家に
ホームステイしていたのに、
本当にもったいない。

 

ホストファミリーは、

  • 優しいホストマザー
  • 穏やかなホストファザー
  • 3歳の女の子
  • 1歳の男の子

という4人家族だった。

子どもたちは本当に可愛かった。

私の部屋にも勝手に入ってきて、
いたずらして帰っていく(笑)

私はそんな子どもたちから、

  • 子どもがよく使う英語
  • 注意するときの言葉
  • 子どもが絶対に笑う鉄板フレーズ

なんかを少しずつ学んでいた。

 

「小さい子どもがいる家庭だと英語が上達しやすい」

そんな話をどこかで聞いて、
私はあえて子どもがいる家庭を希望していた。

まぁ結果的に、
劇的に英語が伸びたわけではないけど(笑)

でも、学校だけでは学べない“生きた英語”に触れられたのはよかったと思う。

 

そんな生活を送っていた頃、
カナダで初めてのクリスマスがやってきた。

 

日本ではクリスマスって、
恋人イベントみたいな空気が強い。

でも北米では完全に「家族イベント」。

家族みんなで集まり、
プレゼントを交換して過ごす。

 

でも私はその文化をちゃんと理解していなかった。

だから特に何も準備していなかった。

すると同居していたルミが、

「プレゼント用意しないの?」

と教えてくれた。

しかもルミは、
ホストファミリーだけでなく、
遊びに来ていたホストマザーの両親にまでプレゼントを用意していた。

私は慌てて近所の安いショップへ走り、
子どもたち用のおもちゃやシールを買った。

 

そしてクリスマス当日。

私はホストファミリーからプレゼントを受け取った。

 

留学生の自分も、
ちゃんと家族の一員として扱ってくれていた。

 

その時、
なんだか少し申し訳ない気持ちになった。

もっとちゃんと考えて選べばよかったな…と。

 

そしてこのクリスマスで、
私はホストマザーのご両親とも出会った。

二人とも本当に優しくて、
柔らかい雰囲気をまとった素敵な人たちだった。

私は昔からおじいちゃんおばあちゃん子だったから、
なんだか勝手に親近感を覚えていた。

でもその頃の私は、
まだ簡単な英語しか話せない。

だからほとんど会話はできなかった。

 

でもルミは違った。

彼女は私より少し早く留学していたこともあり、
英語もずっと上手だった。

だから自然に会話に入っていく。

おじいちゃんおばあちゃんとも楽しそうに話していた。

そして、

「春になったら遊びに行きたい」

なんて話までしていた。

 

正直、めちゃくちゃ羨ましかった。

 

私も行ってみたい。

もっと話してみたい。

でもそんなことを言える勇気もなかった。

 

そしてクリスマス休暇が終わり、
祖父母が帰る日。

なぜか私も空港まで見送りに行くことになった。

車の中で、
私はこの二人と別れるのがものすごく寂しかった。

 

ほとんど会話もしていないのに。

 

でも、
もっと話せていたら違ったのかなって思った。

もっと英語が話せたら、
もっと仲良くなれたのかなって。

私は窓の外を見ながら、
泣いているのを気づかれないように必死に涙をこらえていた。

 

そんなクリスマスを過ごし、
またいつもの日常に戻った。

 

半年ほど経った頃には、
簡単な日常会話ならできるようになっていた。

友達も増え、
交際費も増えた。

当時のホームステイ代は、
3食付きで月8万円くらい。

今のバンクーバーでは考えられない金額である(笑)

 

私は節約も兼ねて、
ホームステイを出て一人暮らしを始めることにした。

 

そして数ヶ月後。

ホストファミリーが別の州へ引っ越すことになり、
最後にまた家へ遊びに行った。

そこにはルミと、
新しい日本人留学生の女の子がいた。

 

この子が、
後に私へかなり大きな衝撃を与えることになる。

 

彼女はまだ来たばかりで、
英語もほとんど話せなかった。

文法もめちゃくちゃ。

単語も全然出てこない。

でも――

 

めちゃくちゃ話しかける。

 

ホストファミリーに。

しかも楽しそうに。

 

そして一番驚いたのは、
食後に彼女が普通にリビングでくつろいでいたことだった。

ホストファミリーと一緒にテレビを見て、
笑っていた。

 

私はその光景を見て、
初めて気づいた。

 

勝手に線を引いていたのは自分だった。

 

「家族の邪魔をしてはいけない」

そう勝手に思い込んで、
勝手に遠慮していただけだった。

 

別に、
一緒にリビングで過ごしてもよかったんだ。

テレビ見てもよかったんだ。

もっと話しかけてもよかったんだ。

 

その時、
後悔が一気に押し寄せてきた。

 

でももう遅かった。

私はすでに家を出ていたし、
ホストファミリーも遠くへ引っ越してしまう。

 

せっかく英語も少し話せるようになってきたのにな…。

 

さらに後日、
私は学校でも彼女を見かけた。

彼女は欧米人たちの輪の中で、
楽しそうに会話していた。

英語は相変わらずめちゃくちゃ。

でも、
全然気にしていない。

 

私はその姿を見て思った。

 

あぁ、
こういう人の方が英語って伸びるんだろうなって。

 

日本人って、
「間違えたくない」が強い人が多い。

私もそうだった。

完璧に話そうとして、
結局話せない。

でも彼女は違った。

間違ってもいいから、
とにかく話す。

 

それがすごくカッコよく見えた。

 

もし過去に戻れるなら、
当時の自分に言いたい。

 

もっとホストファミリーと話せ。

もっとリビングへ行け。

もっと英語を間違えろ。

 

そして、
ホームステイ中にずっと気になっていたのに、
結局最後まで聞けなかったことを聞いてほしい。

 

「このコーラ、私も飲んでもいいですか?」

 

と…。

 

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